基板実装時に於いて反りの問題は避けて通れないのではないでしょうか?
基板の反りは、特に面積の広い基板をDIP槽に流す際に熱により基板が反るケースが多々見られます。
基板の反りにより、基板実装した部品に浮きや半田のクラック、ブリッジ発生などの実装不良が生じ、製品に致命的な不良を発生させてしまいます。
致命的という表現を用いたのには訳があります。その理由は基板の反りにより発生した不良は手直しができない場合があるからです。不良の手直しが出来ないということは、その基板を丸々廃棄することになり損失は馬鹿に出来ないものとなります。
そのため、基板反りの対策をすることが重要となってきます。対策の1つに反り防止用治具の活用があります。
基板に反り防止用治具を差し込むだけでDIP工程での熱による変形を防止し、半田の基板上への流入(半田カブリ)から基板を保護。熱による基板の反りによる残留ストレスから部品の浮き傾きや接続不良、半田クラックやブリッジの発生を無くし、安定した半田付けを行えるようになります。
また基板実装の前段階の設計から基板の反りを考慮して行うことも対策の一つです。
具体的には、DIP槽に基板を流す方向をシルクで指示し、基板のDIP方向を変更することで反りを防止する方法です。
他にも配置検討・部品選定・回路設計などを行います。また部品の実装の方法によってはDIP槽に流す方向や熱による影響を考慮して設計することで基板の反りの発生を防止することが出来ます。
反り防止治具を基板に噛ませるスペースの確保も基板設計時に盛り込んでおかないと、治具そのものの使用が不可能になってしまうので、治具仕様スペースの確保も念頭に於いて設計するのが望ましいでしょう。